触坂でブルーベリーを

たけぞえあゆみ 考えるパンKOPPE触坂でブルーベリーを

夏至を過ぎた6月下旬。梅雨の晴れ間。朝10時。Café 風楽里から車で3分ほど。

恥ずかしがり屋の子。ドキドキしながらやってきた。

初めてのブルーベリー狩り。受付の小屋でもらったカゴ。いっぱいにするぞ。

 

自然栽培のこの畑は、肥料も農薬も使っていないんだって。

だから、摘んだブルーベリーを、その場でそのまま食べてもいいんだって、上野さんが教えてくれた。

おすすめは6粒のブルーベリーを手のひらに乗せて、一気に口に流し入れて、腰に手を当て、目を閉じて、上を向いて食べる食べ方。甘いのも酸っぱいのも一緒に口に入れよう。鼻腔が開いて香りがたつんだ。このブルーベリー畑には30種類以上の品種があるから、色々食べて好きなのを見つけてね。

 

子どもの手が届くところに、たわわに実るブルーベリー。プチっととって、お口にポン!甘酸っぱくて、キュンとする。

 

大きい実、小さい実、白っぽい実、濃い青の実、酸っぱい実、甘い実。いろんな実があるよ。

 

上野さんは1999年に、田んぼだった場所に有機物で土壌をつくって、ブルーベリーの苗を植えたのだそう。今から20年以上も前。ブルーベリーの木はそれほど高くも太くもなっていなくて、たくさんたくさん実をつけて、子どもの手が届くところに実ってくれる。

 

ブルーベリーはホールフード。皮も柔らかいし、種もない。そのまま、パクっ!なんてやさしいんだろう。

ブルーベリーは初めは緑色でそれから赤紫色になって、青色になるんだって。青い皮にはアントシアニンがいっぱい。アンチエイジングに良くて、食物繊維も豊富。夏至は太陽の出ている時間が長いから、よく青くなるんだって。色づく途中の実の色が、一番私の好きな色。

 

カフェで使うブルーベリーを摘む方もいらっしゃる。粒も大きくて揃っていて、とってもきれい。ここからさらに選別して、お店で使われるのだそう。すごいね。

 

糸を通して、ブルーベリーのネックレスを作ったらどうだろう?いやいや、ヨーグルトのベッドの上に乗せるのがいいかな?この薄い皮の中に詰まったジュース。甘く柔らかいケーキに合うよね。

村上春樹氏の小説『街とその不確かな壁』の第二章にも、ブルーベリーマフィンが登場する。こんなに?と思わずにはいられないくらい何度も「ブルーベリーマフィン」がでてきて、そこに新しい登場人物が現れて、クライマックスに向かってお話が動いていく。やや大げさかもしれないけれども、ブルーベリーマフィンが小説の中の、ある世界を救ったようなものだ。「おいしいよ」って、主人公が少年に勧めるような、あんなブルーベリーマフィンを、私も焼きたい。

 

ブルーベリーをパックに詰めて、ありがとうを言う。上野さんたちがずっと畑をしてくれているので、おいしいブルーベリーがいただけます。丸ごとパクって食べられるしあわせを、感じられます。このブルーベリーは、「ある世界」を救うかもしれません。

 

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ブルーベリー狩り体験は、予約制です。詳しくはCafé風楽里さんHPにて、ご確認くださいね。

 

ブルーベリー摘み取り体験