久目と私
- #レポート
黒板アートコンテスト / おらっちゃの久目編集部田んぼの真ん中で表現していこう!
夏休みに久目地区交流館で開催された「くめ黒板アートコンテスト」。市内の中高生を中心に、子どもから大人まで9組22名の方が参加してくださいました。
久目は氷見の中でもはじっこの山のほう、富山県民でも知らない人のほうが多いんじゃないかな、という地域です。富山のはじっこの氷見のはじっこ。そこでこんな催しが行われていたとは…!田舎とか都会とか古いとか新しいとかいいたくないけど、新しい風を感じましたよ。
プログラムはチョークアーティスト・チョークデリ(小林さち)さんによるデモンストレーションから開始。こういう描画の世界があるのね…!みんな興味津々で絵が完成していく様子をみせてもらいました。
次はいよいよ審査会。まず作者が制作の意図などをプレゼンテーションし、それに対して4名の審査員が一人ずつ講評を行なっていきます。
審査員はチョーク・デリさん(チョークアーティスト)、ハヤカワサオリさん(イラストレーター)、鹿助さん(イラストレーター)、小川太郎さん(漆芸家/富山大学芸術文化学部講師)の4名。一般参加者もQRコードから投票できるようになっていました。
この、プレゼンテーションからの講評というのが、とても良かった。
自分たちの考えを伝えて、さらにフィードバックをもらう。そうすることで、伝わったのか伝わらなかったのか、伝わったものは十分だったのかそうでなかったのか、整理されます。
プロの考え方に触れられたのも、特に中高生にとっては、とても良い機会だったのではないでしょうか。
ある中学生の参加者は「女の子はそれだけでかわいいんです」と力説。ほんとそう思う!
「泣いてる子は、ただお腹が空いてるだけなんです。泣いているからって、内面のことまではわからない、決めつけないでほしい」
というような主張をしていて、なかなか深い人間理解があると感心しました。いやむしろ、中学生だからこそ感じられることなのかも。そして、言いたいことをマイクで喋るってすごくいいね。
性的マイノリティとしての主張を絵に込めた、という高校生の二人も。講評会の後にも活動について説明する時間をつくっていて、多くの人が耳を傾けていました。
LGBTQ、ノンバイナリー、アセクシャル、クィア…言葉の正確な理解って難しいなと思います。もちろん、言葉を通じてわかろうとすることも大切。
ただ言葉がわからなくても、その人がその人としてそこにある、言葉以前のその人を受け入れあえたらいいな。あなたがそうであることをジャッジせず、ただそういうもんだって思ってる、イノシシの方が人よりも多そうな田んぼだらけの場所には、そういう包容力の可能性があるかも、今ここにその片鱗てあるかもと思いながら、二人の話を聞いていました。
とはいえ誰が誰なのかはっきりしてる、人ごみに紛れ込めないのがこうした地域でもあります。
そこでマイク握って主張する気概よ。励まされた大人も多かったのではないでしょうか。
絵が雄弁に語る表現あり。
ほんわか、子どもとお父さんのやさしい絵あり。
緊張感とやさしさが両方ある、とっても良い会でした。
カフェ風楽里さんプレゼンツのおいしい台湾スイーツや
FPI(触坂パンプキン愛)の出店
フリーマーケットに
台湾屋台の出店まで!
この、久目地区が持っている人のパワーって何なんでしょうか。
何でここにこんなに豊かなものがあるんだろう。
自分たちの主張を堂々とできる若者たちがいること、そしてそういう場をつくる大人がいることが素晴らしいです。
人が主張するときの息遣いに、胸が熱くなった夏の一日でした。