久目と私
- #レポート
ふれあいランチサービス / おらっちゃの久目編集部お弁当づくりとクサギの煮物
『ふれあいランチサービス』は、一人暮らしの高齢の方向けにお弁当をつくるボランティアの会です。
もともとは地区内の独居の方へお配りするお弁当を手作りしていたのですが、コロナ禍のためにお配りするものは仕出しのお弁当に変更。でも集まって料理することはやめたくはないよね、ということで、月に一度のお料理教室として活動を続けてきたそう。
この日のテーマは、自分たちのためにつくるお弁当。地域のお母さんたちが20名以上、旧久目小学校の調理室に大集合して、和気藹々とさまざまな料理に腕を振るいました。
暮らしの智慧と採集食
特に興味深かったのは、地域の伝統料理“クサギの煮物”。
豆を甘く炊いた煮汁に下茹でしてあるクサギを入れて、一緒に煮ます。
下茹でを含む下準備がなかなか大変なクサギ。
採集、茹でて、一枚一枚並べて乾燥。煮る前には重曹を入れて、茹でて戻しておくのだそう。
ゼンマイに似たこっくりした味と独特な香りのある葉っぱ。葉っぱなのだけど、穀物にも近いような、お芋の葉っぱにも煮たねっとり感。いわゆる葉物よりもお腹にたまる食べ応えがあります。
それにしても手間がかかりますよね。なぜそこまでして食べるのか尋ねると、「干したものは貴重な保存食になるから」、「昔は食べられるものは何でも食べたものだから」と教えてくれました。
考えてみれば、収穫後の手間は多少かかれど、クサギは生えている木の葉です。畑を耕して作物を世話する一連の農作業のように、育てる手間はありません。採集食は、作物が思惑通りに育つかはわからない、そんなところのリスクヘッジでもあったのかも。(クサギには生薬としての力もあるのかな?)
〜だから食べるというよりも、食べられるものは何でも食べる。そして続けて食べてきたものには、何らかの合理的な意味合いがある。理由を説明する言葉はあくまでも裏付けで、言葉以前の智慧がある。そういうことなのかもしれません。
ぜひ自分でも採集から保存、料理までの一連をやってみたいとおもいました。
さて、ものの1時間ほどであっという間に調理は終了、お茶とお菓子を並べて楽しい休憩タイム。
楽しいこと目白押しの久目
最後はパックに詰めて、お弁当作りは終了しました。
とってもおいしいお弁当でしたよ。
さらにこの日は、8月の黒板アートフェアの際にお披露目する押し寿司の試作が行われました。
「笹をどうやって置く?」
「このほうが色がきれいにみえていいかも」
「こっちは真ん中にレモンを置いたらきれいじゃない?」
お互いにアイディアを出し合って、ものづくりをブラッシュアップさせていく皆さんの会話にワクワク。前向きなエネルギーのある場所にいると、それだけで嬉しい気持ちになります。
楽しい「ふれあいランチサービス」の会。来月以降のテーマは簡単チーズケーキ、おはぎ、クリスマスのもてなし、ゆずポン酢、きなこもち、桜わらびもちなど、こちらもワクワク。きっと皆さんそれぞれのおはぎやゆずポン酢のつくり方があって、また発見のあるお話をうかがえるんだろうな。
くらしやすさ
めじろおし
おらっちゃの久目!
これは地域の方々が考えた久目のキャッチコピーですが、久目で暮らしていると、その通りだなぁと思う毎日です。
ほんとうに、めじろおしなんですよ。