建物と暮らし

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藝術農民 / おらっちゃの久目編集部 空き家はフロンティア 干し柿拠点と研修者棟編
『藝術農民』代表の浅見直希さんと『里山Retreat & Kitchen 阿迦舎(アーカーシャ)』主宰の浅見裕子さんご夫婦。二人は農村ならではの藝術を創造していきたいと、自然栽培の田んぼを中心とする農業に加えて、里山オーケストラ『交響する氷見』の結成や演奏会と食事会を組み合わせたイベントなど、さまざまな活動を行っています。



たくさんの人を巻き込んで、やりたいことを次々と実現していく二人。そうしたなか近年は藝術農民の活動に惹かれて、就農と移住を希望する人もあらわれるように。
2024年には「干し柿加工所兼住まい」と「藝術農民に参加する若者の住まい」として、空き家を活用した新たな拠点が加わりました。

干し柿拠点があるのは久目地区のなかでも最奥の山あい、赤毛地区。近くには耕作放棄地を復活させた柿畑があり、干し柿づくりを通じて柿畑の復活までを担います。



大きな家は居室をそのまま製造工房に。



もうひとつは就農を希望する若者の住まい。将来的にはシェアハウス的利用も検討されています。
納屋付の大きな物件は農機具そのほかの収納も十分。これだけの場所を自由に使えるなんてワクワクしますよね。



「こうして拠点を増やしながら、それぞれの場所にそれぞれの特色を持たせていきたい」と直希さん。
「農家をやっていると空き家の情報がよく入ってきます。その多くが田んぼや納屋込みで借りられるので、農にチャレンジしたい人にはこの上ない物件。そのうえで藝術農民の仲間たちには『プラス1の色を加えてほしい』と伝えています。それが柿であったり、若者のトライアルという性格だったり、彼らがやりたいことがそのまま特色になって、カラフルな農村になっていったらいいなと」

現在はペットと同居する仲間の農家物件も準備中。藝術農民のメンバーでもある映像クリエイターに紹介した空き家、母屋、里山Retreat&Kitchen阿迦舎も加えると、藝術農民から展開する空き家活用は6軒にものぼります。
仲間を得ながら次々に拠点を開拓していく姿は、さながらフロンティアの開拓者。
人口減少と空き家の増加は日本中の課題だけれど、だからこその可能性もある。
目のつけ所次第で、里山には新しい可能性が満ちているのかもしれません。
『空き家はフロンティア Retreat&Kitchen阿迦舎編』へつづく