暮らしと建物
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たてものさんぽ#1 久目の串柿~作業場見学編~
今回よりはじまりました。
シリーズ企画「たてものさんぽ」。
氷見市地域おこし協力隊の私、愛称「のんちゃん」が、元建築学生的視点で久目の建物を紹介します。
建物の使い方や使われている方の想いなど、そこに住まう人たちのお話を聞きながら、
のんちゃんは今日も久目の建物を見ながら地域を巡ります。
たてものさんぽ第一弾は「久目の串柿~作業場見学編~」です。
富山大学の建築学生さんが、卒業研究の舞台として久目地区で研究を進め、柿畑や柿吊り小屋について串柿農家さんのところへお話に伺った記事はこちら『柿は風と心意気を見せる』よりご覧ください。
○久目の串柿ってなにけ
久目の串柿は、柿を串に刺して乾燥させたお正月飾りです。
今から約200年以上前の江戸時代から、農家さんの冬仕事としてつくり続けられています。
加賀の前田家藩主から串柿を作ることを推められました。
小ぶりで粘りのある赤柿を、山で自生するハギなどの自然木に刺し、寒風に当てて鮮やかな朱赤色に仕上げます。
2・6・2個に分けて刺された10刺の串柿は、「夫婦、仲むつまじく」「いつもニコニコ、仲むつまじく」と願いを託した語呂合わせの縁起物です。
10刺のほかに5刺、3刺があり、みかん、扇、松竹梅を添えて昆布で巻いた床飾り用もあります。
お正月には欠かすことのできないものです。
いや~、串柿って食べ物じゃないがんや!びっくり。
氷見では、お正月に串柿を飾るんが一般的なんやって。オシャレやな~。
玄関にちょこんってかわいく飾りたいな。絶対イイ。
栗や茗荷(みょうが)も串柿と同じく、副業として収穫されているということを、JA久目支所の方に教えていただきました。
これら3つ、串柿・栗・茗荷は氷見の特産品になっています。
なんと、3品も特産品があるのは久目だけ!すごい。
○作業場にお邪魔すっちゃ
今回は、坪池にある宝住さんの作業場へ。わくわく。
出荷日が近いタイミングでお伺いしたため、山積みの段ボールも一緒に出迎えてくれました。
こんにちは!
宝住さんは家族一丸となり、40年程手作業で串柿づくりをされています。
串柿づくりは家族で行うのが一般的だそうです。
串柿づくりを行う生産者さんは、昔は多くて120軒もありましたが、現在は6軒になりました。
生産者さんの減少により、市場の要求に応えるために毎年の串柿づくりは大変だそうです。
今年度は、10月22日くらいから柿の収穫が始まりました。
柿の色づきが早い年と遅い年で、1週間ほど収穫の時期が変わります。
宝住さんが所有する柿の木はおよそ300本以上あり、なんと柿を1日3000~4000個も収穫するそうです。
息子さんたちが手伝いに来られる週末には、6000個も収穫するとのこと!すごい。
○串柿づくりってどうやるんけ
収穫して製品になるまでに、1週間かかります。
工程は、収穫→皮をむく→串に刺す→硫黄燻蒸→練炭→袋詰め。
硫黄燻蒸は、カビや色が悪くなるのを防ぎます。
ポリカーボネート板で囲われた小屋。これはお手製でしょうか。すごい。
上にライトがついているため、夜の作業も入口が真っ暗にならず安心です。
素材のでこぼこ具合と、素材同士が少し重なっとるから、ファッションでいったらティアードワンピースが私の頭の中でリンクされてかわいい。
高温すぎると柿が焼けるため、こまめな温度確認が必要です。練炭の入れ替えも必須。
次の朝までほっといて(放置して)、やこく(柔らかく)なるまで待ちます。
硫黄や練炭を使っているため、食べることはできません。
美味しそうで、ついつい食べてしまいそうになるわ。これは気を付けんなん~。
今年度は、組合全体で約7万個の出荷となったそうです。
「11月中旬まで天気が良かったから、色つやが良く、仕上がりが良い」と宝住さんはおっしゃっていました。夕日みたく綺麗な色です!
○お土産
帰り際にお土産をいただきました。わ~い。
お邪魔しました。ありがとうございました!